才能も条件も恵まれていたのに~

前回のブログでは、白雪姫のことを書きました。
受け身に徹して幸せになったお姫さまです。

今回ご紹介は、同じグリム童話の「おきさきさま」のこと。悪役の継母ですが、読み返してみたら(ある意味)魅力あふれるキャラクターでした。

どんな人かというと…

それは
美しい女ですが、
気ぐらいが高く、
慢心が強く、

きりょうのいい
ことにかけては、

ひとにまけるのが
我慢できませんでした。 


しかしもちろん 世代交代の時 はやってきます。
ある日、魔法の鏡が告げた「国中で一番の美女」は 白雪姫に (^^;

この時からおきさきは…

雪白姫を見るたんびに、
心の蔵がおなかのなかで
きりきり舞いをしました。

おきさきは、昼も夜も、
気のおちつくひまが
ないようになりました。


勝手に恨まれた姫には迷惑な話。
しかもおきさきは、エネルギッシュな人物です。
殺したはずの姫が生きていると知ると…

どういうふうにして
雪白姫の命を
とってやろうかと、

またもや考えに
かんがえぬきました。


一国のおきさきとして、他にやることがないのかと心配になってきます。

白雪姫のお城
容姿も能力も優れていたのに…

その目標設定はだいじょうぶ?

加齢というどうにもならないことを、どうにかしようとするおきさきさま。
他者を排除する道を選んでしまいました。

能動的なのは良いのですが、間違った方向へ。
姫を「殺してやる」と、こびとの家へ行く準備を始めたのですが…

じぶんの顔へ
絵のぐをなすりつけ、

小間物をあきなう
婆さんのような
服装をしたので、

おきさきは、だれだか
まるでみわけが
つかなくなりました。


もはやナンバーワン美女になるため、なりふり構わず婆さん姿本末転倒なことに、本人は気がついていません。

そして暗殺に失敗が続くと…

雪白のやつ、
どうしたって
殺してやる。

こっちの命が
なくなったって、
かもうもんか


いったいこの人、何がしたかったのかもうわかりません (-_-;)

幸せになるための能力の使い方

こんな童話のおきさきですが、大人になって読み返すとなんだかちょっとほろ苦い

職場や婚活現場にも、どこか「あるある」なパターンです。たとえば、天然な新入社員にモヤっとイラだつ先輩だったり、特定の条件に固執する婚活者だったり …

おきさきの「白雪姫・暗殺計画」はよく練られていました。つまり企画力も実行力もあって、高い地位も取得済み。

人物は優れていたのに恵まれた能力の使い方がもったいなかった!

トラブルの原因が実は自身の「こだわり」にあったというのが、大人の童話としての教訓です。

白雪姫の生存を知ったおきさきは…

気がもめて気がもめて、
なにがなんだか
わからなくなりました。


こだわりは良くも悪くも、時に長い時間をその人から奪います。

もしおきさきが「この国の三十代で 一番美しいのはだあれ?」

と鏡に尋ねていたら ―
条件設定をほんの少しだけ調整することで、手に入る幸せがあるはずです。

シャネルの価値観
※引用は『完訳グリム童話集2』金田鬼一訳 1981年 岩波書店 翻訳では「雪白姫」と記載。



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