3歳児で、すでにご婚約?

涼しくなってホッとするこの頃、「芸術の秋」ということで、今日はスペイン・ハプスブルグ家のお見合い写真のことを書いてみます。

ハプスブルグ家は代々「結婚」で権力と財力を維持強化してきた家系。ですから「お見合い写真」といえども、王家の存亡に関わる重要な役割を担います。

そして17世紀のお見合い写真はというと、油絵の具で描かれた「肖像画」―王家の威信をかけて、最高の技と素材をもって制作されました。

当時のスペイン王室の制作担当は、宮廷画家のベラスケス(Diego Rodríguez de Silva y Velázquez 1599~1660)それが現在まで、名画として伝えられているのですね。

その一つがこれ ↓
マルガリータ王小
「薔薇色のドレスのマルガリータ王女」1653-1654 ウィーン美術史美術館蔵

国王フェリペ4世の娘・マルガリータ王女(Margarita Teresa de España 1651~1673)3歳の肖像画です。大人っぽいポージングが微笑ましいですが、それもそのはず、この時すでに婚約者あり!


婚約者は叔父さんなんです


お相手は、オーストリア・ハプスブルグ家の次期皇帝・レオポルト1世(1640-1705)。当時14歳の少年でした。

この少年、実は彼女の母親の弟…つまり叔父さんと結婚 !?とビックリかもしれません。しかし王族間での血族結婚は当たり前の時代。

高貴な血と財産を存続させるため、プリンセスたちは、一族=国家のためにお嫁にいったのです。赤ちゃんの時から結婚相手がいるなら、婚活の必要はありませんが … 選択の自由もありません。

でも王女の結婚運は良かったようです。レオポルト1世は、花嫁を大切に迎えたといいます。遠い異国でひとり、見知らぬ宮廷人に囲まれるより、きっと幸せだったはず。

これは婚約者に贈られた3枚目の肖像画、王女は8歳 ↓
青いマルガリータ王女
「青いドレスのマルガリータ王女」1659年 ウィーン美術史美術館蔵


ぐっと成長しましたね ー 8歳にしては、やはり大人っぽく描かれています。この時19歳の叔父さんは、どんな気分で眺めたのでしょう。

こうして王女は15歳になるとお輿入れして、初めて二人は顔を合わせることになりました。

残念ながら一族の特徴は、長い顔としゃくれたアゴ。あまり美貌ではありません。

ふっくらした顔の8歳のままをイメージしていたら…叔父さんは実際に会って、内心「あれ?」と思ったかも … いつの時代も「お見合い写真」のさじ加減は難しい (^^;

名画の中で永遠に生きる少女

マルガリータ王女は身体が弱く、22歳で亡くなってしまいます。血族結婚の宿命もあったかもしれません。

でもベラスケスに「お見合い写真」を描いてもらったことで、彼女は愛らしいまま、永遠に生きることになりました。成長していくその姿を、私たちはまるで身内の気分で眺めることができます。

婚活を始める時に用意する「お見合い写真」、
3歳のマルガリータ王女までとはいかなくても、思い立った時が、ご自分の一番若い時

ですから、ここはクオリティ高く撮影してもらいましょう。

人生の節目にあった自分に向けての、すばらしい記念になると思います。

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