このままなら2040年に男性の3人に1人は独身です
コロナ禍の2020年も、あと少しで終わり。在宅勤務が続いて、パートナーを求める気もちが強くなったという話も耳にします。
男女とも未婚率が、この30年間で急上昇してきた日本。
しかしコロナ時代にシングルの方の「なんとなく…」「いつか…」という結婚意識が、切実感をもって変わるかもしれません。
そこで今日は、ブログ第40話に続き「男性の危うい思い込み」について書いてみたいと思います。
※今回のブログの元ネタは参加したこのセミナーから→ライフスキルデザインカレッジ モーニングセミナー「データで学ぶライフデザインの世代格差」講師:天野馨南子氏:(株)ニッセイ基礎研究所生活研究部、人口動態シニアリサーチャー 2020年10月17日(土)
ブログ第40話 ↓
男は仕事優先、結婚は30歳を過ぎてから?
実はこの男性の考え方、結婚を遠ざける危うい考え方なんです(とりわけ子どもを望む場合です)。統計データが示す数字を見ていきましょう。
まず男性の初婚平均年齢は31.1歳(2015年の厚生労働省統計)
今日出会って明日に結婚はないですから、そこまでには「出会い」「交際」「結婚準備」の期間が必要ですね ― その交際の平均期間は約4年です。(2010~14年成婚カップル調査)※1
つまり31歳で結婚の男性は、20代後半には結婚に至るアクションを起こしていたことに。
初婚男性の婚姻届の37%が、20代後半に集中している(最多提出年齢は27歳!)ということからも、この動きは見てとれます。※2
例えで言うなら、もしあなたが午後3時の飛行機に乗りたかったら、午後3時に家を出ては間に合いません。早めのスタートに越したことはないのです。
婚活スタートの年齢によって状況が大きく変わります。photo by oldtakasu
男性が30代に入るとお相手選びはどうなるか
初婚男性の約4割が、20代後半で婚姻届を提出…つまり「初婚平均年齢が31歳だから」と焦らないで、30代からの婚活スタートは、ちょっと出遅れ気味。
ここにデータを一つ加えます。
お互いが初婚夫婦の年齢差は、平均1.7歳。3歳以内までで約7割を占めます。(2015年)※3
つまり年齢の離れた「歳の差婚」は少数派。
データをもう一つ。
30代前半で「婚歴なしの未婚者」割合が女性は3割、男性は5割。(2015年)※4
つまり女性の7割は、35歳までに結婚しています。これが20代前半では男女共にまだ9割が未婚なので、学校や職場に独身女性がたくさんいたはずと勘違いしがちです。
さらにデータをあと一つ。
少子化日本で、40代人口に比して、20代はその67%の人数。(2015年国勢調査)
若者の存在はそれだけで貴重なのです。
いかがでしょうか。
つまり男性が30歳を過ぎてから、パートナーに若い女性=20代~出産できそうなと34歳までを希望した場合、時間が経つほど出会いが難しくなっていく…これが現実です。
それまでに若い女性は、おじさんよりは、若い男性と結婚してしまっているのですね。
加えて30代以降は「再婚者の方が結婚に有利」となる現実も。
「婚期を逸する」ということを、男性の方がより切実に感じてほしい。
とりわけ子どもを望む場合、自分の年齢が上がるほど、可能性が低くなることは、意識しておいた方が良いと思います。
仕事もパートナー探しも同じくらい熱心に… photo by お兄さん
親世代の考え方に影響を受けると…
もし現時点でアラサーの男性が「まあ結婚は30を過ぎてから」と思っていたら、それは多分に自分が育った家庭環境からの影響かもしれません。
1980年から現在までに大きく変化したのが、専業主婦の減少=共働き世帯の増加です。
2020年現在、夫婦の約7割が共働き世帯。
しかし親世代は「夫は給料で・妻は家事育児で家庭を支える」という役割分担を意識しがち…そして自分たちのリアルをベースに子どもの結婚のことを考えます。
親世代の感覚と現実のズレ、それが子どもの婚期にどんな影響を与えているのか、これは次回のブログで書いてみたいと思います。
サザエさんの世界はもはやファンタジーの領域に… photo by FineGraphics
※1 天野馨南子『データで読み解く「生涯独身」社会』宝島社新書 2019年 223頁
※2 2018年の厚生労働省の人口動態調査より天野馨南子氏作成の表から
※3 天野馨南子『データで読み解く「生涯独身」社会』宝島社新書 2019年 221頁
※4 同上 71頁
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男女とも未婚率が、この30年間で急上昇してきた日本。
しかしコロナ時代にシングルの方の「なんとなく…」「いつか…」という結婚意識が、切実感をもって変わるかもしれません。
そこで今日は、ブログ第40話に続き「男性の危うい思い込み」について書いてみたいと思います。
※今回のブログの元ネタは参加したこのセミナーから→ライフスキルデザインカレッジ モーニングセミナー「データで学ぶライフデザインの世代格差」講師:天野馨南子氏:(株)ニッセイ基礎研究所生活研究部、人口動態シニアリサーチャー 2020年10月17日(土)
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男は仕事優先、結婚は30歳を過ぎてから?
実はこの男性の考え方、結婚を遠ざける危うい考え方なんです(とりわけ子どもを望む場合です)。統計データが示す数字を見ていきましょう。
まず男性の初婚平均年齢は31.1歳(2015年の厚生労働省統計)
今日出会って明日に結婚はないですから、そこまでには「出会い」「交際」「結婚準備」の期間が必要ですね ― その交際の平均期間は約4年です。(2010~14年成婚カップル調査)※1
つまり31歳で結婚の男性は、20代後半には結婚に至るアクションを起こしていたことに。
初婚男性の婚姻届の37%が、20代後半に集中している(最多提出年齢は27歳!)ということからも、この動きは見てとれます。※2
例えで言うなら、もしあなたが午後3時の飛行機に乗りたかったら、午後3時に家を出ては間に合いません。早めのスタートに越したことはないのです。
婚活スタートの年齢によって状況が大きく変わります。photo by oldtakasu
男性が30代に入るとお相手選びはどうなるか
初婚男性の約4割が、20代後半で婚姻届を提出…つまり「初婚平均年齢が31歳だから」と焦らないで、30代からの婚活スタートは、ちょっと出遅れ気味。
ここにデータを一つ加えます。
お互いが初婚夫婦の年齢差は、平均1.7歳。3歳以内までで約7割を占めます。(2015年)※3
つまり年齢の離れた「歳の差婚」は少数派。
データをもう一つ。
30代前半で「婚歴なしの未婚者」割合が女性は3割、男性は5割。(2015年)※4
つまり女性の7割は、35歳までに結婚しています。これが20代前半では男女共にまだ9割が未婚なので、学校や職場に独身女性がたくさんいたはずと勘違いしがちです。
さらにデータをあと一つ。
少子化日本で、40代人口に比して、20代はその67%の人数。(2015年国勢調査)
若者の存在はそれだけで貴重なのです。
いかがでしょうか。
つまり男性が30歳を過ぎてから、パートナーに若い女性=20代~出産できそうなと34歳までを希望した場合、時間が経つほど出会いが難しくなっていく…これが現実です。
それまでに若い女性は、おじさんよりは、若い男性と結婚してしまっているのですね。
加えて30代以降は「再婚者の方が結婚に有利」となる現実も。
「婚期を逸する」ということを、男性の方がより切実に感じてほしい。
とりわけ子どもを望む場合、自分の年齢が上がるほど、可能性が低くなることは、意識しておいた方が良いと思います。
仕事もパートナー探しも同じくらい熱心に… photo by お兄さん
親世代の考え方に影響を受けると…
もし現時点でアラサーの男性が「まあ結婚は30を過ぎてから」と思っていたら、それは多分に自分が育った家庭環境からの影響かもしれません。
1980年から現在までに大きく変化したのが、専業主婦の減少=共働き世帯の増加です。
2020年現在、夫婦の約7割が共働き世帯。
しかし親世代は「夫は給料で・妻は家事育児で家庭を支える」という役割分担を意識しがち…そして自分たちのリアルをベースに子どもの結婚のことを考えます。
親世代の感覚と現実のズレ、それが子どもの婚期にどんな影響を与えているのか、これは次回のブログで書いてみたいと思います。
サザエさんの世界はもはやファンタジーの領域に… photo by FineGraphics
※1 天野馨南子『データで読み解く「生涯独身」社会』宝島社新書 2019年 223頁
※2 2018年の厚生労働省の人口動態調査より天野馨南子氏作成の表から
※3 天野馨南子『データで読み解く「生涯独身」社会』宝島社新書 2019年 221頁
※4 同上 71頁
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