年をとる怖さ…昔のことも「つい最近」に思えて

「新しい元号は令和であります」と当時の菅官房長官が伝えてから、はや1年以上。

テレビ中継を見た私は「またですね」と思ったのですが…「平成であります」を見てから、実に三十年も、経っていました(^^;

平成宣言が、自分が生まれる以前という20代と「つい最近見ました」感覚の私・50代。

自分の感覚だけでは、今どきの婚活で時代錯誤的なアドバイスをしてしまう!と、怖さを感じるこの頃です。

そこで今日は、この30年から40年間の社会変化を様々な統計データから見ていきたいと思います。

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私の学生時代はこんな感じの電話でした。photo by シロップ

※今回のブログの元ネタは、天野馨南子『データで読み解く「生涯独身」社会』宝島社新書 2019年からです。

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30年以上を経て大きく変わった数字とは?

①まずは〈生涯未婚率〉から

1980年当時は、男性が2.6%・女性が4.5% ※1
2015年には、男性が24.2%・女性は14.9%(2015年国勢調査)

今から40年ほど前は、結婚していない人は、断然少数派。

だから今現在の親たちが、若かった頃のリアルに拠って「結婚は時期がくればできるもの」と考えてしまうのも無理はありません。

②次に〈4年生大学進学率〉です。※2

1990年に4年生大学進学=現在48歳 男性3割超・女性2割弱
2010年に4年生大学進学=現在28歳 男性5割超・女性5割近く…この20年で男女半々。

親世代と子世代では、見ていた「教室の風景」も違っているんですね。

私自身の思い出でも、大学キャンパスでは、女性は少数派な感じでした(文学部なので教室内は多かったですが)。短大に進み、早く社会に出てテキパキ働く友人を、尊敬した思い出もあります。

大学や大学院進学者が増えた=男女ともに社会に出てくる年齢が遅くなったということ。

親世代の感覚で「せっかく大学を出したし、まずは仕事で一人前に」と構えてしまうと、結婚を意識する年齢すらも、遅くなってしまいます。

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photo by しろっぷ

③そして〈共働き世帯〉の割合※3

2019年 共働き世帯は、68%=今は10世帯に7世帯は共働き
1995年 共働き世帯は、50%=それ以前は、専業主婦の方が多い時代

今現在、親世代の40代後半(団塊ジュニア)が生まれた1971~74年は、出生数が約200万人。(2019年になると半分以下の86.4万人!にまで落ち込みます)。

つまり現在は、親世代が社会の多数派。その時代感覚による価値観が、社会の常識として通りやすくなってしまいます。

その日常風景は「男性が外で・女性は家で活動」がリアルでした。「寿退社」という言葉もありましたよね。

自分の記憶や経験だけでは語れない

未婚化・少子高齢化を「女性が高学歴化するから…」「専業主婦なら子供をたくさん持てて」というのは(統計データで分析してみると)幻想なのですが※4 人は自分の経験や記憶をベースに、なんとなくの思い込みで意見を言ってしまう。

そこには、自分の夢や希望まで、織り込まれているかもしれません。

そして親の言動が、無意識に子どもの考え方に影響を与えていることも。

「自分の収入だけで、家族を支えなくては…」
「女性だって、24時間働けますかで頑張らないと…」

子どもの視野が思い込みで狭くなって、婚活を回避してしまうとしたら…先回りの不安で人生の大事な選択肢の一つを、みすみす失ってしまうのは、もったいないことです。

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ダイヤルの時代から、回線の種類はたくさん増えましたが、さてつながり方は?

金銭的にも役割的にも偏らず、世帯を支えあうスタイルに、家庭が変わろうとしています。

その中で、前世代にお手本(ロールモデル)があまりないだけに、結婚・出産・子育てしながら仕事を続ける方法は、暗中模索の状態。

ここは女性だけでなく、解決の労力や時間の負荷も二人で担う。

「手伝ってあげる」とは違います。

男性は、自分が結婚したい時が適齢期!ではなく、結婚に応じてもらえる環境づくり・姿勢づくりができるかどうか。

そしてコロナ禍で一段と「支えあう家族のカタチ」が暗中模索なだけに、まずは「ああ、なりたいな」と思える、人物やカップルを見つけてみる。

スローガンや思い込みのアドバイスに振り回されず、現実のお手本から、自分の結婚スタイルを創りあげていくことが、実際的かなと思います。

※1天野馨南子『データで読み解く「生涯独身」社会』31頁【図表1-4】
※2ライフスキルデザインカレッジ モーニングセミナー「データで学ぶライフデザインの世代格差」講師:天野馨南子氏:(株)ニッセイ基礎研究所生活研究部、人口動態シニアリサーチャー 2020年10月17日(土)掲出データ(
学校基本調査より)
※3同上 掲出データ(労働政策研究・研究機構HPより)
※4
天野馨南子『データで読み解く「生涯独身」社会』124~126頁、131~134頁

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